村上春樹さんのスピーチ

私は,村上さんのファンなので小説やエッセイを入手できる限り読んでいます.

「ねじまき鳥」や「海辺のカフカ」についての私が理解している限りのテーマは,
「世の中に悪は存在する.その悪は何なのか?人間の深層部に存在しているであろう悪は何なのか?」
だと思っていました.

なので,今回のスピーチも個人的には,「アンダーグラウンド」からスタートしていると思うし,
とても一貫性があると思う.その悪は,理屈では説明できない.

井戸を掘った先には,人々が意識していない,もしくは,意識をそむけてている巨大な悪が
そんざいしているかもしれない.ということだと思う.

このことを見つめるためには,とてつもない精神力や体力が必要になる.普通の人がそれを
行えば気が狂うと思う.それをストイックにやっているのが村上さんなんだと思う.

何はともあれ,これだけの議論を巻き起こせるスピーチであることは間違いない.