The Catcher in the Rye

「The Catcher in the Rye(ライ麦畑でつかまえて)」(村上春樹訳) を読みました.なんだか相当凄い小説であるということだけを知っていたので,どんな凄いもんかと思ったら,まぁ,若い頃のありがちな苦悩のパワーアップバージョンって感じですかねー.確かに,世の中インチキくさいものがたくさんあるけれど,みんなそれぞれそれなりにがんばっているんだろうから,少しずつ折り合いみたいなものを作っていかないとね.

現在の日本を見ていると,ホールデンの言っていることは,まだまだ普通な気がするなぁ.この小説を今見ると,「あぁー,昔は平和だったんだなー」と思ってしまったりする.ちょっと調べたところ,いまだに発禁気味らしいですけど.宗教や体制に対する批判は,的を得ていれば得ているほど発禁処分を食らい易い気がするんだけど,どうなんだろう.無宗教な私は,そこんところよく分かりません.

ネタバレ注意
題名のThe Catcher は,「1000人くらいの子供がライ麦畑で遊んでいるときに,大人は自分ひとりしかいない状況で,がけに落ちそうな子供をキャッチして助けるという仕事をする人」ということで,うーん面白い.こういったことを言うということは,先生にでもなるといいんじゃない?っておもうけど,多分ホールデンは先生になんかなりたくないんだろうね.あくまで,Catcherになりたいんだよね.一寸のずれもなく.

なんつーか,経験と思考がバランス良く備わらないとうまくいかなくなるという好例というふうに見ました.小説自体は,面白かったけど.主観的な意見を淡々と述べているだけなので(修飾語はかなり強く書かれているんだけど,読んでるほうからすると「そんなにこだわらんでもいいんじゃない?」って感じです),なかなか読みきるのがなかなかつらい.正直飽きるよ

私なんかは,こういった青臭い系誰でも通る的テーマは,ヤンサンでおなじみの山田 玲司さんが書いた「ストリッパー」という1巻完結の物語です.コレを見たとき,「あー,俺の悩んでいる言うことが出来ない悩みはコレだ!!」と感激したものです.