派遣社員に関して思うこと

たいした調査もせずに,思うことを書いてみます.この文章は,書きながら考えをまとめているので,論理的に破綻しているかもしれません.

1.序文:まず,高度資本主義について.
初期資本主義は,いわゆる「労働者からの搾取」が問題となって,「政府による福祉+高度資本主義」が生み出されていると思う.産業革命のころ,資本家は兎にも角にも労働者から労働力を120%搾り出して,利益を追求していたわけですね.で,さすがにやりすぎだという事で,福祉政策が転換されていきます.これは本来,持つ人間が持たざる人間に還元をすることが目的でした.しかし,ほとんどの有権者が労働者であることから,政治家は票集めのために高度な福祉を行う仕組みを作っていきました.このことは,人道的にはすばらしいことだと思います.人間らしい部分だとも思います.しかしながら,高度な福祉により,財政が破綻してしまって,結局高度資本主義のみが残ったのが現状だと思います.

さて,高度資本主義ってなんでしょうか?一言で言うと,儲ける仕組みが複雑であり,損をしている人が誰なのか,得している人が誰なのか,分からないようにすることを実現している資本主義のことです.特に重要なのが,「損をしている人が誰なのか」が分からない仕組みが現在問題になっているんだと思います.その断末魔が今回の秋葉原の痛ましい事件になったのではないかと思います.潜在性という意味では,かなりの危険水域にあることは確かです.

このエントリでは,そのような社会をどのようにすればよいかについて,論じたいと思っています.

2.どのように損をするのかについて
会社というのは,常に黒字を出さなければ生存できません.また,昨今の資本家(=株主)のための経営が利益追求に拍車をかけています.会社は,あくまで法律の範囲内で営業活動を行い利益を出さなければなりません.逆に言えば,法律さえ守っていれば,どんなに利益を出してもよいわけです.バブル以降日本を苦しめたのは,人件費の高さです.それにより,国際競争力がおちてしまいました.会社は,高い人件費では利益を出すことができないので,少数精鋭にせざるを得ませんでした.つまり,利益を出せない人間は社員として雇えないのです.景気がよければ,コスト管理もどんぶり勘定になるので,誰でも利益をだせます.しかし,一端不景気になれば,費用を削ることで利益を捻出します.

私の予想だと,本当は国は派遣社員の枠組みなんて作りたくなかったと思います.ただ,そうでもして人件費を下げなければ,本当に企業がつぶれてしまって日本の経済が立ち行かなくなると考えたのではないかと憶測します.それはそれで,成功したのかもしれません.労働者(社員も契約社員も)は,まったく景気がよくなったとは思いませんでしたが,一応,お金の回り方はそれなりによくなり,企業は最高利益を出すようになりました.

さて,この利益は本当はどこから出てきたんでしょうか?もし,現在の派遣社員がそれまでのように正社員であったとしたら,これだけの利益は出ていたのでしょうか?結局,複雑すぎてよく分からなくなってしまうけど,結局初期資本主義と同じなんだろうと思います.しかも,たちの悪いことに,初期資本主義では団体活動(組合)がしっかりしていましが,契約社員にはそう言ったつながりさえありません.法律も3年雇用したら正社員にしなさいなんていうもんだから,会社側は3年以内に契約を解除します.ここが本質的にたちが悪いところだと思います.契約社員はどのコミュニティーにも参加できないようになっているんです.だから,金を持って事業をしている人の言うことを聞くしかないんです.それがいやなら...選択肢が無いんです.

3.ではどうするべきなんだろうか?
ふむ,難しいねぇ.私が思うに資本主義を否定しないと,この構図は逃れられないと思います.だって,お金が一番大切だって考えてしまったら,別の選択肢が思いつかないから.じゃあ,「社会主義にするの?」という話になると思いますが,いいえ違います.「一番大切なのは,お金ではありません.」ということを言ってみることから始まります.みなさんは,生きていくのに一番必要なのはなんだと思いますか?お金ですか?もしそうなら,資本主義の中で勝ち残ってください.きっと,そういう方々ががんばり続けているおかげで,日本には物資があふれています.

もう一度聞きます.本当に大切なのはなんでしたっけ?私が思うに,人間は社会性を持った動物です.だから,コミュニティに属して生活することがとても大切だと思います.本来は,お金が無くてもコミュニティに入ることができると思います.というか,そういうコミュニティが存在してもよいと思います.

うまくいえないので,唐突ですが,私が考えるお金が一番ではないコミュニティを書きます.

  • コミュニティーにおいて,自給自足(間違っても,自分ひとりで自給自足ではない).
  • 高度資本主義が生み出している必須だと思う商品の代替品も自給自足.
    • 例.人によって違うと思うけども,テレビ?冷蔵庫?洗濯機?洗剤?青山のスイーツ?ファブリーズ?
  • 基本,助け合いの精神を持つ.困っていれば,助ける.困ったときには,助けてもらう.
  • あと,ローマ帝国のように,市民による政治を行って,独裁的になりそうな人物は年に一回投票で追放しましょう.

二つ目は,「おばあちゃんの知恵」が役立つはず.本当は,ファブリーズなんていらないんだよね.冷蔵庫がなければ,買いだめなんてできないから,毎日毎日なんとか手に入れなくてはいけないよね.そのときには,本来,コミュニケーションが生じるよね(泥棒はご法度,コミュニティー追放).

こうすることで,お金から離れた生活ができます.助け合いが根本にあるわけだから,少なくとも孤独ではないです.それこそ,畑を耕している人や魚を釣る人や裁縫する人...分業できればそれでいいじゃない.物々交換(本来は交換ではなくて,自分が食いきれないくらいの収穫物をおすそ分けするということですね)

4.で,結局...
例えば,契約社員の皆さんが,洗剤やラップや七味唐辛子や携帯電話を買わなかったら(使わなかったら),多分世の中変わっていきます.何を売ろうが,売れないのです.大企業は大企業の中だけの経済規模になってしまいます.多分,アウトでしょうね.この現象は,既に生じてますけどもね(確か,NHKが「ものをかわない若者」の特集してた).でも,それでもいいんじゃない.少なくとも今のような孤独感はなくなってくると思うんだけど.Alwaysの頃くらいまでは,そんな雰囲気も残っていたんだよね,きっと.だからみんなそんな時代がよかったなーと思うんだよね.

最後に言いたいのは,企業ってのは,派遣社員から2重にぶんどっています.ひとつは,正当な労働報酬を払わ無いことによって.もうひとつは,本来必要のない商品をうることによって.だから,社会にダメージを与えたいのであれば,田舎に言っておじいちゃんおばあちゃんと畑を耕して自給自足するのがありだとおもいませんか?ジャンクフードや家電製品,除菌グッズ...無ければ無いで生きていけるものばかりです.まぁ,アニメのDVDが無いと死んでしまうと思うなら,それはそれで生き方だと思う.もちろん.高度資本主義社会という化け物は,ものすごく世界中のあちこちまで気が回るすごいやつです.でも,お金が生まれないところには何もしてくれません.本来的な人間的なコミュニケーション(村おこしや自給自足を手伝いますか?)を提供なんてしてくれません.なぜなら,お金が生まれないから...

P.S.
とはいえ,高度資本主義社会は,われわれの精神の奥深くまで根を張っているとは思う.

P.S.
結局,減反政策とかもそうなんだけど,資本主義的でないコミュニティーを国は何とかしてつぶしにかかるかもしれないけどね.小さい内は,スルーされるんではないかと思う.